共同親権が日本で実現されない理由について

こんにちは。NPO法人「親子の絆を再生しよう」代表です。

今日は共同親権について日頃思うことを書きます。まだ考えが少し整理しきれていないところがありますが、順次更新していきます。

共同親権については、当事者団体がずっと前から力を入れて活動を展開されています。本当に頭が下がる思いです。
今日書きたいと思いますのは、共同親権が日本で実現されてこなかった理由について考えてみたいと思います。

その前に共同親権制度が必要で、メリットが単独親権制度に比べて大きいことは今更申し上げる必要もないと思います。
対比して単独親権制度においては、

(1)子どもの幸福追求権の侵害
(2)親権をめぐる争いが激化しやすい

(1)については、両親からの愛情を受けたいと思う子供に片方の親を制度的に選ばせるのは基本的人権に違反していると思います。
(2)については、親権が単独なので、それは自分の方に親権をということになるでしょう。そうすると親同士の対立は激化するのは当然で、親の対立が激化すると、子どもも高葛藤に巻き込まれていくのも自然なことと思います。この論文にも単独親権よりも共同親権の方が、子どもはよりよい順応を示したと報告され、親同士の紛争が少ないと報告しています。

興味深い文献を一つ掲載します。

離婚後面会交流及び養育費に関わる法制度〜米・英・仏・独・韓」国立国会図書館調査及び立法考査局行政法務課(2015)

各国について面会交流の意義、合意の強制手段などについて書いてあります。文末の別表に調査対象5か国と日本の離婚後の面会交流及び養育費に関する法制度の違いを比較していますが、日本だけが、際立って異質です。

単独親権にはこれだけの問題があり、この5か国だけ見渡しても共同親権を実現していないのは日本だけです。

共同親権ではこれだけのメリットがあると報告され、世界の主要国が共同親権を採用しているのに、なぜ日本だけがいまだに単独親権なんでしょうか?

いろいろ理由はあると思いますが、私が最も大きいと考える理由は、「共同親権が導入されると困る人たちがいるから」です。
先ほど書きましたように、共同親権制度下では、親同士の紛争が少なくなると報告されています。紛争が少なくなると必要な弁護士も少なくて済みます。

一方で、法科大学院は定員割れとかロースクール卒業しても職に就けないとか、弁護士の雇用の問題もあります。
そこで仕事を確保するために、できるだけ紛争を多くする。そのためには紛争が多発しやすい単独親権制度を維持している。

私はこういう図式を頭に描いています。すなわち、

弁護士の雇用の確保 ⇒ 紛争をできるだけ多くする ⇒ 単独親権制度を維持する

こういうことです。

ここで、子ども連れ去り関連の弁護士の市場規模をざっくりとみてみたいと思います。 
 

日本では年間24万組が離婚し、16万人の子供たちが親に会えなくなるという報告があります。親のうち10%が裁判沙汰に巻き込まれるとすると双方で約5万人、控訴・上告などで1回で裁判終わらないだろうから、繰り返し着手金・成功報酬など支払うとして合計でざっと100万円を弁護士に支払うとすると、控えめに見ても親子関係の弁護士市場規模はだいたい500億円になります。

司法関係者が、こんなおいしい市場を手放すわけないですよね。子どもの福祉や利益を犠牲にしても。

面会交流調停の申し立て件数は、10年前の2.5倍になったとか報告されています。件数が増加するので家裁職員が不足する。なので職員数を増やす決定をしたような記事を読みました。
これも裁判所職員の雇用を確保する格好の口実です。「連れ去ったら子供は、原則元の居住地に戻す」ということが守られれば、労力は2ケタくらい削減可能と思います。なぜそれをやらないのか?雇用と既得権益を守るためです。
 

日本の司法には同じような図式の事例があります。
ハーグ条約で見られるように「子どもを連れ去ったら、原則元の居住地に戻す」という考えです。あるいは友好的親条項です。
海外に対しては、「雇用とか既得権益を守るため」という理由は通用するはずもないので、国際離婚に対しては日本はハーグ条約に同意しました。
したがって、海外事例と国内事例では対応が異なるという明らかなダブルスタンダードが発生しています。

日弁連に所属する弁護士も、このダブルスタンダードを容認する弁護士が多数であると聞いています。やはり自分たちの雇用・仕事と既得権益を守るためと考えます。悪質なのは人権弁護士と称しておきながら、子どもの人権を軽んじる弁護士がいることです。

日本でも、この単純な考え方「子どもを連れ去ったら、原則元の居住地に戻す」や友好的親ルールを導入してくれたら、連れ去られ親の苦労は相当減少するのではないかと思っています。私は、この世界標準とも言えるこの考え方が日本では実現されていないために本当に、労力、時間、お金がかかりました。弁護士への報酬に苦しんでいる当事者の方もいると思います。私の場合は弁護士に頼んでもほとんど効果ありませんでした。

共同親権が実現しないカラクリもうおわかりと思います。 

日本で共同親権が導入されない大きな理由の一つは、「司法関係者(家裁職員・弁護士)の雇用を確保するため」と私は考えます。

この人たちも食っていかなくてはならないので、雇用を確保したい気持ちはわかりますが、子供の福祉や利益を犠牲にしてはいけません。
ひとつ、誤解なきよう書いておくと、共同親権導入されない理由は、これだけではありません。他にももちろんあります。戦前の家制度の慣習などもその理由のひとつにあげられますが、私はこの理由が最も大きいと考えます。

あらためて別表を見てください。日本以外の国は、総合的に判断して共同親権を採用しています。日本も、もう共同親権制に舵を切るべき と思います。少なくとも単独親権制度が共同親権制度が選択できるように制度を整えるべきです。

子どもの問題の取り扱いは、日本の司法の分野の中で最も遅れていると思いますし、いくつかの矛盾を内包しているようにも思います。
児童心理の専門家などの意見も取り入れて、「子どもの福祉と利益」を真剣に考えていただきたいものです。